Angel Beats! #13（最終話）「Graduation」

　ゆりが寝込んでいる間に他の連中は消えてしまっていたり、ゆりと奏は別人かと思うぐらいキャラが変わっていたり、他の連中をさんざん消えさせておきながら音無はいきなりやっぱり残ろうかなどと言い出したり、最後までお世辞にも上手くまとめられたとはいい難い内容だった……。最後の仕掛けは何かと思っていたら実は奏は音無の臓器を移植されたことによって生き延びることができた少女でしたというオチか。しかし卒業式をろくに経験したことないようだったから、やはり身体は弱く若くして亡くなってしまったんだろうな。それでも少しでも長く生きられたことに感謝しているのだろうけど。この設定も使いようによってはもっと驚けて感動もできたかもしれないけど、なにしろここまでの話の運び方がアレだから素直に盛り上がれなかった。最後は音無は一人取り残されたことになってしまうのではと思ったけど、EDやED後の描写からしてあの世界から立ち去ることはできたようで。
　まとめ。いろいろ話題になって非常に注目度が高かった作品だけど、死なない設定のせいで登場人物たちの扱いが非常に軽くなってしまったり、そのくせ過去（生前）のトラウマ話を持ち出してきて安易に感動路線を狙ったような展開になってしまったり、無駄にキャラが多かったり、バンドやら戦線の活動やら多くの要素を詰め込んでしまったりと、なんともバランスとまとまりが悪くてお世辞にも良くできた作品とは言い難かった。良かった点としては音楽（作中BGMによる盛り上げはずるいぐらいだと思う）と天使（じゃないけど）ちゃんマジ天使といったあたりか。あと音無の過去に関するエピソードも個人的にはお気に入り。まあ客観的には褒められた内容ではなかったと思うけど、個人的にはネタ的な部分も含めてなんだかんだでこの1クール楽しませてもらった。これでアニメに懲りたりせず、今回の経験をいかしてまた再チャレンジしてほしい。