大正野球娘。 #12(最終話)「土と埃にまみれます」

 親父や口やかましい先生がデレるという予想通りの展開だが、その予想通りさが陳腐とは映らず、心地よく感じられるまさしく王道の展開。先生や新聞部の娘さんにいたるまで全員に見せ場があり、ナックルの伏線もいかしてと実に素晴らしかった。贅沢を言えばもう少し余韻がほしかったかな。最後のCパートも小梅と三郎のニヤニヤできるやりとりはあれはあれでいいものだけど、やはりチームメイト全員のその後を見てみたかったというか。
 まとめ。原作は悪くはないけど、それほど有名でも大人気作品というわけでもなく、なんでこれがアニメ化? という印象で、正直このアニメ版にもあまり期待していなかったのだけど、意外や意外、最初から最後まで安定して楽しめた作品だった。キャラクターはとても魅力的だし、笑える部分もあるし、きっちり野球という題材に沿ってストーリーが進むし、まさしく王道というのはこういうのをいうのだと実感。今期の意外な大当たり作品だった。原作のストックはそれほどないはずだけど、『たこ焼き娘』のアニメ化も期待したいなぁ。もっとも『たこ焼き娘』だとまったく野球をやらないことになるけど(笑) スタッフの皆様、お疲れ様でした。