喰霊-零- #12(最終話)「祈焦 -いのりのこがれ-」

 日暮れ前の戦いはいらなかった気が。黄泉に最後の戦いを挑むも結局やはり斬ることができず、「信じてあげるべきだった」と言ってたくせに黄泉に挑発され逆上して岩で殴り倒したりって……。黄泉を斬ることにしても信じることにしても全然覚悟ができてなくてがっかり。自分から最後の戦いに赴いたのだからそのへんの覚悟はすでに決まっていると思ったのに。自分ではできているつもりでもいざ実際の場面になるとやはりできなかったというのはわからないではないが、物語の流れ的には美しくないよなあ。
 殺生石の支配に苦しみながらも黄泉があくまで神楽を大事に思っている描写は良かった。特に思い出の画像を載せた携帯を破壊したのは、よく見ると黄泉自身の部分を刺したというのがわかるあたりは上手かったな。最終的に黄泉は倒されたわけだけど、原作でも黄泉は出てくるのではなかったっけ? 復活するということなのかな?
 黄泉を倒した後、カテゴリーDのゾンビ軍団が出てくるのは、黄泉を倒したことによって元・人間のゾンビ軍団も討伐する覚悟ができましたというのを表したかったのだろうけど、もうちょっと空気読めというか、黄泉の死をおとなしく悲しませてほしかったな。
 エピローグ。室長&桐ちゃんコンビは生き残っていてびっくり。はっきりと殺害場面は描かれていなかったけど、てっきり殺されたものだと思っていた。メガネの彼は噂の原作主人公・剣ちゃんですな。エンディングが黒無地のスタッフロールだけとは寂しいなあ。やはりその後の場面を映しながらエンディングを流してほしかった。最終話は悪くはないけど、どうってことのない無難な内容に落ち着いてしまったなという印象。
 まとめ。終盤がやや失速してしまったのが少々残念だったものの、ドラマチックな展開・登場人物の心情描写の上手さ・ギャグ・エロ(笑)などがそろっていて全体的にはすごく楽しめた今期の思わぬ大当たり作品だった。スタッフの皆様、お疲れ様でした。