抗いし者たちの系譜 逆襲の魔王

抗いし者たちの系譜 逆襲の魔王 (富士見ファンタジア文庫)

抗いし者たちの系譜 逆襲の魔王 (富士見ファンタジア文庫)

複数の人物の謀略がからみ合う話のためか説明的な文章が多いのが少々気になった。また最も重要なサラとラジャスのふたりは意外に終盤まであまり前面に出てこなかったような印象があるのも残念(前半〜中盤まではどちらかというとスキピオとグレンデルの方がサラとラジャスよりも目立っていた印象がある)。勇者が魔王を倒して次の魔王になり世界統一を果たし、魔王は復讐を誓い、勇者は魔王に恋していたという設定は非常に秀逸。また明確に自分の書きたいものを持っているというか、テーマを強く前面に出した展開をそれほど押しつけがましくなく、しかしはっきりと印象に残るように描けているのは良かった。