Phantom〜Requiem for the Phantom〜 #26(最終話)「江漣」

 最後までレイジはへタレだなぁ。「殺す」「俺が囮になる」とか言っておきながらろくに囮の役割は果たせず、エレンは量産型ファントムを鮮やかに片付けているのにレイジは苦戦しまくりだし。というか、後半はエレンが主人公だったと考えるべきなのかな……
 ……などと思いつつ見ていたら最後にえええええええええええっ!?!?!?!?!? 順当にエレンENDかと思っていたら何この後味悪い終わり方。レイジはなんで撃たれてるんだよ。原作はこんな終わり方じゃなかったじゃん!? それにエレンが最後笑ったままなのも、レイジが殺されたことに気づいていないのだとしたらマヌケ過ぎるし、この後のことを考えると悲劇だし、エレンも一緒に殺されたのだと思うとやはり後味悪いし。
 ……と、いきなり最後に原作と違う展開になってびっくりだったけど、考えようによっては妥当といえなくもないんだよな。そりゃ組織の追手がどこまでもやってくるのは当然なんだし。ひょっとしてこの終わり方を提案したのは原作のシナリオライター本人なんじゃないかなーという気もしないではない。今の自分だったらこういう終わり方にするとか考えていてもおかしくなさそうだし。
 まとめ。当初はどうせ原作なんて無視して独特のBGMを鳴らしまくりのオサレな暗殺者ものになるんだろうなと覚悟しながら見始めたわけだけど、原作の重要な点はしっかり踏まえており、その上で視聴者ウケしやすいようにサービスシーンなども入れ、それでいてしっかり独自のBGMや演出も用いているという非常にいいアニメ化だった。後半はレイジがやたらと仕事を失敗してばかりのへタレ化をしたのは残念だったが、このへんは原作からしてこういう展開だからアニメが悪いというわけでもないし、かといって原作では楽しめたし、何が悪かったのやら。最終話のあの終わり方もなかなか衝撃的だったが、前述の理由で個人的には許容範囲内で納得できた。なんだかんだでこの半年間楽しませて頂きました。スタッフの皆様お疲れ様でした。次は『ヴェドゴニア』か『鬼哭街』のアニメ化も見てみたいなあ(『沙耶の唄』はさすがにアニメ化は難しいだろうし)。