カーリー 〜黄金の尖塔の国とあひると小公女〜
カーリー ~黄金の尖塔の国とあひると小公女~ (ファミ通文庫)
- 作者: 高殿円,椋本夏夜
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/03/30
- メディア: 文庫
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作品そのものの出来不出来は置いといて、どうもこの作品に期待していたのとは違う内容でがっかり。というのも読む前は女子寄宿舎もの、ふたりの少女の運命的な出会い、ということで「女子寄宿舎でいじめっ子と衝突したりしながらもカーリーとシャーロットは絆を深め合う青春時代を過ごし、しかし後年、時代と世界情勢の激動の変化により押し流されふたりは別れ別れになり」という話なのかなと想像していて、確かに大筋ではその通りなんだけど、後半はどんどん国家間謀略ものとしての色が濃くなって期待はずれだった。世界情勢の変化に翻弄されるのはいいけど、その動きのど真ん中にいるのではなくメインのふたりはあくまで大きな流れに翻弄される一般人でいてふたりの関係を中心に描いてほしかった。あとやはりカーリーが……。百合カップルにこだわる方ではないけど、ことこの作品に限っては普通の男女の組み合わせではなく少女同士の組み合わせにしてほしかった。最初から女装少年とわかっていたら別に全然問題ないのだけど、せっかく美少女キャラだと思っていたのに実は少年だったなんてわかってすげーがっかりですよ(笑)
……と後半はかなり読書意欲が低下しながら読み進めていたのだけど、エピローグの盛り上がりっぷりに評価再上昇。エピローグ部分はかなり良かった。これこそ求めていたものだって感じで。この一冊で完結しているけどシリーズとしても続けられるようになっていて、作者が続きを書きたいと思うのもわかるな。このふたりのこの後をちゃんと見届けたいというか。