ドラグネット・ミラージュ

ドラグネット・ミラージュ (竹書房ゼータ文庫)

ドラグネット・ミラージュ (竹書房ゼータ文庫)

熟練の刑事と剣と魔法のファンタジー的世界からやってきた少女騎士が習慣の違いから対立しながらも事件の解決を目指すというストーリー。派手さや爽快感を求める人には地味に思えるかもしれないけど、設定がしっかりしていてある程度現実的というか、ご都合主義的な展開がないというか、そういう作品を求めている人には合っているかも。個人的にはそういう作品であることを期待して手を出し、実際その通りの内容だったのだが、贅沢を言えばもう一味何かほしかった気が。こういう作品だと対立するふたりが信頼し合うようになるのが話のポイントだと思うのだが、どうも信頼し合うようになるだけの何かがあったとは思えなかった。フルメタの賀東氏原案ということでフルメタを例にしてみると、フルメタ第一作目BMGでかなめから見ればストーカーに見えてもおかしくない宗介にかなめが気を許すようになる場面の心理描写とかはなるほどと納得できたのものだけどそういうのがなかったというか。なので、もう少し重点的にふたりの交流を描いてほしかったな。あと最後のティラナが戻ってくるのはそうでないと後味の悪い結末になりそうだとはいえ、それまでシリアスな調子で進んできたのに急に軽い調子になったようで違和感が。