ある日、爆弾がおちてきて

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

この作者はブラックロッド三部作以降パッとしないという印象だったのだけど、今作で2005年下半期ライトノベル版大賞受賞作ということで購入。全体として派手さのない小奇麗な短編集という感じで、「終わクロ」でも「シャナ」でもなくこれが一位とは少々意外な気も。以下個別感想。ネタバレも含むので伏字。

ある日、爆弾がおちてきて

アイデアはいいと思うがつめこみ過ぎ。せめて中編ぐらいの長さで過去にあった広崎ひかりとの交流や、現在の彼女である辰美とのつきあい、主人公が潜在的に終わりを望んでいることをもう少し描けていたらもっと良かったと思うのだが。

おおきくなあれ

記憶遡行症状ってまるで鍵作品みてーだというのが素直な第一印象(笑) この前に収録されている『ある日、爆弾がおちてきて』がちょっと悲しい終わり方だったので明るい話でよかった。オチが容易に読めてしまったのが少々残念。

恋する死者の夜

暗い……救いがねー。前二本が基本的に明るいノリだっただけに異色な感じ。しかしそれゆえ印象に残るというか。

トトカミじゃ

今回も悲しい終わり方かなーと思っていたら、ほほえましいというかちょっと心温まる話だった。

出席番号0番

結局最後月本は日渡だったのだろうか、そうじゃなかったのだろうか? そのへんが気になってしまってすっきりしない終わり方だった。

三時間目のまどか

ありふれた話といってしまえばそれまでだけど、収録作品中でこれが一番良かった。少し不思議な形での美少女との出会いというのはやはりどこか心をくすぐられるものがありますな。

むかし、爆弾がおちてきて

物語終了後のふたりがどうなったかが気になる。