この青空に約束を―

この青空に約束を― 初回特典付き

この青空に約束を― 初回特典付き

  • いろいろなネタが仕込まれている。「〜けどどうよ?」とか「絆の錬金術師」とか「さえ、ちゃんとしようよ」とか砂浜で「ゴール」って台詞が縁起でもないとか「嘘だっ!」とか(笑)
  • 三周目、静シナリオ攻略完了。さすがにHは気まずくてちょっとあれだったな……。炉なキャラが嫌いってわけじゃないけど、性知識がほとんどない相手に手を出すのはどうも気が進まないというか。そういう需要があるというのはわかるし、それを否定するつもりもないのだけど、まあ個人的に好みに合わなかったと。とまあHに関しては不満だったけど、最終局面の航の誠実さは好感度高し。それに海己も好感度アップ。
  • 四周目、宮穂シナリオ攻略完了。航に決定的に惹かれる動機付けが弱い気が。初対面の時にしても何故たかだかお雑煮くらいでそれほど好感度が高かったのだろう? 航を攻略するのに苦労するあたりは『パルフェ』の明日香と似ている気がする(笑) 航との関係は沙衣里や静と違って即バレ(笑) お嬢様との身分違いの恋ネタに最後の説得と、悪くはないのだけど捻りがなさ過ぎて物足りなかったなあ。
  • 五周目、海己シナリオ攻略完了。やたらと依存的なヒロインだと思っていたが、シャレにならないぐらいだったのか……。つーか、こういうべったりな幼なじみヒロインは珍しくないけど、べったりなのはトラウマの影響とはな……。海己も『ショコラ』や『パルフェ』で見られた「これだけ距離が近ければ恋人同士になっていてもおかしくないのに、過去にワケありで恋人同士になるのは難しい」タイプのヒロインなわけね。挿入歌が流れたり、他のルートにはなかった寮の問題に対しての解決策を示したり、エピローグで数年後の他のメンバーも出てきたりとトゥルールートみたい。まあ、そのわりにはEDはあいかわらずボーカルなしだったが。海己ルートを最後にって意見を見かけることがあったけどなるほどと納得。ただ、綺麗にまとまったところに水を差すようでなんだけど、海己の問題は羽山一家に対する世間の見る目が変わって蔑まれても同情されてもきついという点だったのだから、廃寮中止のために動いても直接的には問題解決にならないと思うんだけどなあ。そりゃ自分たちの想いを公式の場で表明し学園祭に来た島の住人たちに理解してもらうことや、副会長として立派に務めていることを印象付けるのは周囲から認めてもらう上で大きなプラスになっただろうから間接的には問題解決の一助にはなっているのだろうけど。
  • 六周目、奈緒子シナリオ攻略完了。過去の経緯は良かったけど本編は元カレ(未満)が現れてという展開はベタでひねりがなかった。五箇条はなかなか良かったが。発売前は『ショコラ』や『パルフェ』でも見られた裏ヒロインかと目された登場人物で実際過去に主人公とワケあり系のヒロインだったわけだけど、それほど強烈なインパクトはなかったなあ。
  • 七周目、凛奈シナリオ攻略完了。海己シナリオが一番いいシナリオなんだろうな〜と思っていたらこちらもいい内容で嬉しい誤算。つぐみ寮の住人たちの状況をピーターパンの劇に重ねて、最後の結末をネバーランドを離れることに発展させたのはお見事。それに海己が重要な役割を果たしのも良かった。海己シナリオ攻略後だと最終的にはこのシナリオでも海己も成長していることがわかって深いなあ。挿入歌が流れたのも盛り上がったし、最後につながる作曲がここで出てくるのも良かった。というか、全員攻略後最終エピソードが出てくるのは知らない方がもっと印象的になって良かっただろうな。ネタバレは極力予防したつもりだったけど甘かったか。ゲーム開始当初から示されていた約束された別れについて深く触れられた良シナリオでした。凛奈シナリオが卒寮の別れについて、海己シナリオがつぐみ寮存続について描かれた、この作品の最も要となるふたつのシナリオだった。今回は表ヒロインふたりに力を入れたのか(笑)

(以下ネタバレ込みのまとめ)

  • 「約束の日」終了。さえちゃんが珍しく先生らしい(笑) エンディングは泣き声混じりで凝ってるなあ。エンディングを聞いてだれがボロ泣きしてるか想像するとなかなか面白い(笑) 再会は各ヒロインルートで描かれているし、だれが攻略ヒロインであっても矛盾しないよう描く必要があるのもわかるけど、泣いてお別れで終わるのはちと寂しくて切ない。この内容だと発売時期は3月下旬より3月上旬〜中旬の方が良かったんじゃないかな。本来の発売予定日から一週間延期してしまって3月最終日になったのは惜しかったな。
  • 茜シナリオ終了。単なる凛奈ネタのひっかけ用の脇役に終わらせず、単なるオマケヒロインに終わらせず、しっかりとした中身のある内容で良かった。それに丸戸氏にしては珍しい主人公の挫折からの復活や、口数が多い騒がしい系という普通なら単なる脇役で終わってしまいそうなタイプのヒロインをちゃんと魅力的に描けていてお見事。最初は主人公がヘタレているのがよりにもよって最終シナリオかよという気もしたが、約束を守れず落ち込んでいる主人公に共感しやすかったので、全員攻略後に持ってきたのは正解だったかもと最終的には納得。
  • お気に入りの曲は『allegretto 〜そらときみ〜(Piano Ver.)』『Pieces』『さよならのかわりに』『春を待つ少女のように』『もつれそうなストライド』『TWO OF US,SEVEN OF US』『Calling You』『嘘と自転車』『小鳥のダンス』『暖かい空気に包まれて』。
  • 特に一押しのお気に入りのヒロインは凛奈と茜。凛奈はいかにも狙ったようなヒロインだな〜と思いつつ見事にひっかかりました(笑) 茜は最後の茜シナリオで一気に株を上げたなあ。
  • 満足度の高かったシナリオは、海己・凛奈・茜シナリオ。海己と凛奈のシナリオはこの作品の最も要となる内容だったし、茜シナリオでは新しい魅力を見せてくれました。主人公が困難に直面してもあきらめずがんばり、ちゃんと言葉で想いを伝えようとするのは好感が持てていいけど、毎回問題に直面しては臭いストレートな台詞を連発して解決するだけの話でマンネリ化してきたかなと正直ちょっと失望していたのだけど、この3シナリオは本当に良くて大満足。そしてなんだかんだと辛口になった部分もあるけど、信者評価で言えばつぐみ寮で過ごしたこの二週間は幸せな時間でした。スタッフの皆様、お疲れ様でした。次回作も期待しています。