夏と花火と私の死体

夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

夏と花火と私の死体 (集英社文庫)

死体の一人称というアイデアは面白いが、実質上三人称の描写のようなもので、(その珍しいアイデアによって読者の注目を集めるという以外での)死体の一人称である必然性、あるいは死体の一人称ならではという描写はなかった気が。ぶっちゃけ死体が見つかりそうになって、それを隠してってのをくりかえしているだけ。すぐにパターンが読めてしまったので、読んでいても緊張感やハラハラドキドキした気分は味わえなかった。オチも予想の範囲内でこんなもんかという感じ。収録されているもうひとつの作品「優子」もそうだった。期待ハズレだったな。